愛猫との永遠の別れ~写真のソラが伝えてくれる大切なこと

 

昨年10月3日(水)の早朝、愛猫ソラがお空に帰りました。

※愛猫ソラの最期の時間について書きました。大切なペットとお別れしたばかりだったり、まだ辛いと感じている方は、心が揺れるかもしれません。どうぞ、無理して読まないでくださいね。

 

 

(’22.1撮影)お日様ぽかぽかのベッドでお昼寝中。いつも枕に頭をのせてました( *´艸`)

 

16歳と5カ月、人間でいえば80歳のおばあちゃん。いくつになっても、小さくて可愛くて愛しい存在。今もその気持ちは変わりません。そのソラが亡くなる直前の2日間、不思議なことが起きました。

 

~エンジェルタイム~ ソラから私へのプレゼント

 

動物医療の現場では、重篤な状態にあるペットが亡くなる直前に一時的に元気を取り戻す現象を「エンジェルタイム」と呼ぶことがあるそうです。寝たきりだった猫が突然歩き回る、ご飯を食べる、家族に甘える…etc。これは、ペットが最期の力を振り絞って家族に感謝の気持ちを伝える時間とも解釈されています。このような時間は、飼い主にとっても大切な思い出となり、ペットとの絆を深める機会となります。 ねこちゃんホンポURLから

 

(撮影 24.10.1)足元で私を見上げてたソラは少し悲しそうに見えて…。 

ほとんど動くことができなかったソラに、奇跡のエンジェルタイムが訪れました。旅立つ2日前、突然、いつもどおりに歩き出して、ご飯も食べて、お水も飲んで、日向ぼっこして、お気に入りの場所でお昼寝してくれて。立ち上がることもできなくて、もちろん食べることもできなくて、苦しそうに荒い息をしていたのがまるで嘘のようなソラの姿。私、キツネにつままれた気分でした。

 

撮影 24.10.1 食事、拒否ってたのに、最後のご飯はしっかり食べてくれたね。

撮影 24.10.2 家中をくまなくチェックしてた。この扉に中もお気に入りの場所。

 

奇跡が起きた!!!そう思いました。私、嬉しくて、涙が止まらなくなって。このソラの奇跡の時間を残そうと、2日間夢中で写真を撮りました。

 

でもね。どこかでこの時間は長く続かない。これは、ソラが私にくれた最後のプレゼントなんだということもわかってた。エンジェルタイム2日目の夜遅く…また動けなくなって、徐々に荒い息になって、苦しさが増していって。腕の中のソラに、ずっと声をかけながらひと晩を過ごしたその朝、お空に旅立ちました。

 

撮影 24.10.2 

動き回った後、窓際に置いたお気に入りの場所で空を見上げた表情、美しいと思ったよ。

 

この時のことを思い出すと、まだ涙が出てきます。動けなくなって息を引き取るまでのあの時間…。今も、思い出すと胸がぎゅっとなる。だから、その時のことをブログに書く気持ちには、まだ、なれません。書くことで、誰かのお役に立てるはず、と感じてるけど。いつか、その日が来るといいな。(´;ω;`)

 

 

大好きなペットの写真を残す意味

飼い主さんにとって、ペットは(本当はペットと呼びたくない)大切で愛しい家族。赤ちゃんでも、元気でも、シニアでも、それは同じです。

 

撮影 22.1.22  
2年前の冬の朝。お気に入りのベッドの上で。グルーミング大好きだったね。

 

80歳のおばあちゃんソラは、私にとっては永遠に愛しい存在でした。15年と6カ月、いつも隣にいた、ストーカーのようにまとわりついていたソラがいなくなって、強く感じたこと。それは「たくさんの写真を撮っておいてよかった」ということ。特に最後のエンジェルタイムは、残しておいてよかった。

 

最後の数カ月、見ていることさえ辛かったソラ。でも、エンジェルタイムの2日間は、本当に安らかで、どこか達観した表情だった。目の前に迫ったお別れに、私が悲しみの海で溺れないように、最後の記憶をしあわせで満たしてくれた。そう信じてます。

 

ソラが旅立った後、悲しくて辛くてどうしようもなかった。でも、この2日間で見せてくれた写真の中のソラが「しあわせだったから、悲しまないでね。」そう言ってくれている気がして、私の気持ちを落ち着かせてくれました。

 

 

記憶写真。それは愛しい瞬間とペットを鮮やかに蘇らせてくれる宝箱

 

いつも「写真は記録ではなく記憶」とお客様にお伝えしています。ソラの旅立ちで、改めてそのことを痛感しました。まだ動画を見るのは辛いけど、なぜか写真は幸せな気持ちで見ることができます。

 

撮影 24.10.1 カメラを向けるとすぐに目をそらすソラが、私をじっと見つめてくれました

 

エンジェルタイムを写真で残さなかったら、きっと最後にとても苦しんで亡くなったソラの姿だけが私の眼の奥に焼きついて、なかなか立ち直れなかっただろうな。幸せな最後の2日間のソラが写真を見返すことでソラの喪失を乗り越える力になってくれた。そんな風に感じています。

 

撮影 24.10.1 

動けなくなる数時間前。いつも通りの大きなあくび。このままでいてね、と祈る。

 

 

ソラとのお別れからもうすぐ8カ月経って想うこと

 

ソラの祥月命日も来月で8回目。去年の今頃、どんどん体調が落ちて、毎日辛そうだったソラの姿を思い出します。年齢や持病のこと、いろいろ考えて「延命はしない、緩和ケアで最後の時を迎えさせよう」と決めていました。

 

撮影 24.10.2 何を考えていたのかなぁ。大好きがこみ上げてくる。。

 

命あるものは、必ず終わりを迎えます。だからこそ、生きることを無理強いはしたくなかった。自然な形で、でも可能な限り痛みを感じないように、旅立たせる。それが私の責任。そう考えていたから、お別れまで何度も悩んだ治療の選択にも後悔はありません。

 

でも、それでも、時々無性に会いたくなって、まだまだ泣けてくることもあります。一緒に暮らしたソラとの15年6カ月は、わたしにとってかけがえのない時間でした。大好きで愛しくて、特別な存在だったソラ。これからは1匹残されたメイを慈しみながらながら、たくさんの飼い主さんとペットの記憶に残る幸せな写真をたくさん撮っていきたい。そう思っています。

 

22.1撮影 ぐっすりお昼寝中のメイ。安心しきった表情が可愛くて愛しくて。

 

もし、あなたに、ともに暮らすペットがいて。そして、その子を愛しくて大切な家族と感じているなら。

たくさん、たくさん写真を撮って残してほしい。ツーショットや、家族みんなでの写真。

 

いつも目にしている何気ない日常も、飼い主さんだからこその好きポイント。そして、可能なら…旅立ちの直前までも。

 

いつか、必ず訪れる別れの時のその後も、幸せな気持ちで愛しいペットを思い出せますように。そして「今この瞬間のあなたとペットの時間」が、未来の宝物になりますように。